薬の服用について【その1】

今回は、薬の服用についてお話【その1】をしたいと思います。

皆さんがお飲みの薬にも服用するタイミングの指示があると思います。

薬の服用タイミングには、朝・昼・夕の食前や食後、眠前などがあります。皆さんは「面倒だからまとめて食後に飲もう…」「結局はどのタイミングでも飲めばいいんだよなぁ…」などと思ったことはないですか?

なぜ、服用タイミングが指示されているかというと、薬には特定の症状に対して効果が出やすいタイミング(早く短時間だけ効く、ゆっくりと長く効く等)があり、その薬の特性によって服用タイミングが決められてるからです。その為、服用タイミングを守らなければ、副作用が出やすくなったり、効果が出にくくなってしまうことがあります。

例えば、糖尿病の患者さんには血糖値を下げる薬が処方されます。同じ糖尿病の薬の中にも、食直前や食後など服用タイミングが違う薬があります。その薬に合った適切なタイミングで服用しないと血糖値が下がりすぎてしまって、動悸やけいれんを引き起こす低血糖症になってしまったり、逆に効果が出なかったりすることがありますので服用タイミングはきちんと守ってください。

なんとなく「決められたタイミングで薬を服用することが大切!」と言う事が分かっていただけましたでしょうか?

では、次に服用のタイミングについて説明します。基本的なことですが、再度確認いただき、正しく薬を服用ください。

【食前とは?】

食前とは、食事の30分前~1時間前のことで、胃の中に食べ物が入っていない状態になります。また、【食直前】は、食事をとる5分以内(いただきますの前に!)のことになります。

食間とは?】

食間とは、食事から2時間~3時間程経った時のことをいいます。胃の保護や、食べ物の影響によって薬の効果が弱まってしまうのを防ぐ場合に指示されることがあります。

【食後とは?

食後とは、食事から30分以内、胃の中に食べ物が残っている状態のことをいいます。胃が荒れてしまうような薬では、胃の中に食べ物があることによって胃に負担をかけにくくなります。また、【食直後】は食後5分以内(ご馳走様の後に!)のことになります。

【頓服(とんぷく)とは?

頓服は、症状が出た時に薬を服用することを意味します。そのため、必ず食前や食後といった決められたタイミングで飲んだりする必要はありません。また、1日〇回服用するというものでもありませんが、一般的には1日最大△錠までと指示がある事がありますのでその範囲内で調整ください。頓服で注意してもらいたいことは、効果が出ないからと言って何度も短時間で繰り返し大量に服用しないことです。頓服が指示される薬には、解熱剤や鎮痛剤、下剤などがありますので覚えておいてください。

今年は暖冬?と言われていますが、まだまだ寒い日が続きます!新型コロナやインフルエンザもまだ安心できる状況ではありません。うがい、手洗い、マスクなどできる範囲での対策をしっかりしていきましょう。