健康管理について ~タバコ編~

今回は健康管理について(タバコ編)をお話しさせていただきます。

今更ながら、『タバコって体に良いものですか?悪いものですか?』と言う質問をどうお考えですか?

喫煙者に方からは『個人の責任で楽しむものだから』とか『ストレス発散・気分転換になるから』『今さら辞められへん』等の意見が聞こえてきそうですが…。しかし、昨今は受動喫煙防止の観点から街からは喫煙場所が激減し、私たちのクリニックでも敷地内禁煙です。個人だけの問題ではなくなってきています。

【医学的には】

がん、

脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患、

慢性閉塞性肺疾患(COPD)や結核などの呼吸器疾患、

2型糖尿病など多くの病気と関係しており、対策することで予防できる最大の死亡原因であることがわかっています。身近では単純に風邪も治りにくい傾向もありますよね。

また、喫煙を始める年齢が若いほど、がんや循環器疾患のリスクを高めるだけでなく、総死亡率が高くなることもわかっています。

厚生労働省HPより

【最近のタバコ事情】

昔って、火をつける紙巻タバコでしたよね🚬

私が子供の頃は、ドラマでも喫煙シーンが多くあったり、公共交通機関の車内でも普通に吸えてました。煙モクモクでしたよね( ̄▽ ̄;)

今は、加熱式・電子タバコが大半です。

電子タバコは、リキッド(液体)を加熱して発生した蒸気を吸うタイプのタバコで、色々な味や香りのする液体が充填されています。

日本国内では、健康意識の高まりと受動喫煙の危険性から、紙巻きタバコの市場が縮小する中で、電子タバコが販売シェアを伸ばし続けている状況です。同じ加熱式・電子タバコでも機種によって吸った印象が異なる様で、タバコ感が強いものから弱いものまで、また無臭に近いものまで多様なラインナップがあるようです。

では、根本的に加熱式・電子タバコは紙巻きたばこよりも安全性が高いのでしょうか!?

日本呼吸器学会の提言は

1. 加熱式タバコや電子タバコが紙巻タバコよりも健康リスクが低いという証拠はなく、いかなる目的であってもその喫煙や使用は推奨されない。

 2. 加熱式タバコの喫煙や電子タバコの使用の際には紙巻タバコと同様な二次曝露対策が必要である

加熱式タバコや電子タバコに関する日本呼吸器学会の見解と提言(改定 2019-12-11)

この様に、健康への悪影響、受動喫煙に伴う健康被害の可能性から推奨されていません。

しかしながら、宣伝や広告などの影響もあって、「煙が出ない、受動喫煙の危険が低い、健康被害が少ない、見た目がおしゃれ」というイメージが付いており、あたかも加熱式電子タバコが安全であると誤解している人も多いのではないでしょうか。

結論としては、【加熱式・電子タバコが安全である科学的根拠はありません】。

長年の喫煙習慣が抜けずにここまで禁煙できてない方、その苦労はお察しします。しかし、医療現場からの見解ではやはり『百害あって一利なし』です。リラックス効果等はあるかもしれませんが…。諸説あるかもしれませんが、あまりにもメリットとデメリットの釣り合いが取れないような気がします。

これから、冬本番に向かいます。インフルエンザや新型コロナの猛威が予想されます。

愛煙家の方には耳の痛いお話となりましたが、インフルエンザや新型コロナへの対策、継続した健康管理の一助となればと投稿させていただきました。今からでも遅くない!リスクは1つでも減らしていきましょう!